少年少女は夢を見る
私を送ったら、帰り道頼は一人になる。
真っ暗な中に独りきり。
自殺願望が芽生えないわけがない。
送り迎えを永遠に繰り返すわけにもいかないし、そうしたら頼の衝動を抑える人は誰もいなくなる。
「大丈夫。ちゃんと帰れるよ」
基本的に頼は他人を助けたりはしない。
優しく思える言葉は投げかけてくるけれど、ただそれだけ。
それを知っていたから、今回だって本当に私を送ろうとは思ってないんだろうと思った。
だけど。
「…送ってく」
隣に頼が並んだ時は本当に、驚いたなんて簡単には言えないぐらい衝撃だった。