少年少女は夢を見る
一緒に歩く帰り道、さっきと打って変わって頼の口数は少ない。
だけど私だって頼の代わりにしゃべろうだとか気の利いたことはできない。
だから必然的に、2人の間には沈黙が流れる。
私は別にどうこうするつもりもなかったのだけど、
「あのさ、」
想像よりずっと焦った声は頼の唇からこぼれた。
早口で、一遍に終わらせてしまいたいと思う気持ちがよく出ている。
「昨日奈里ちゃんに呼ばれた時焦ったのは、考えてたからなんだ」
何を、と聞かなくたってもうわかってる。
「死にたい、って?」
こくりと頷く頼がなぜだろう、いつもより子どもっぽく見えて仕方ない。