少年少女は夢を見る
どうしてわかってくれないの。
叫びたい気持ちが喉の先までせり上がって来て止まる。
私の強靭な理性は、なんとか欲求を抑えこんだ。
「ゲームしよ」
「後で」
そんなの困る。
この気まずい空気が薄まらないじゃないか。
「こんな日に死んだら、気持ちいいかな」
「…頼は気持ちよくても、私たちは気持ちよくない」
ほら、私の説得なんて何の意味も成さない。
砂漠で氷を作ろうとするようなものだ。
水はどんどん干上がっていくのに、無理だって思うのに、それでも私は口を動かし続ける。
「ゲームしよう、頼」
今度は、否定の返事は返ってこなかった。