少年少女は夢を見る
…で、結局。
「俺の勝ちー。アイスとジュースおごってね」
「聞いてないし!どっちか一個にしてよ!」
そして私としては単価の安いジュースの方にしてくれるとよりうれしい。
じとっと恨みがましい目で睨んでいると、頼がくすっと笑って言った。
「じゃあ、アイスにしようかな。この前俺がコンビニで食べたいって言ってたやつ」
「この野郎…!」
しかもそれ、コンビニのアイスの中でもすごく高いやつだし。
イライラしながらカバンを持って、2人で日暮れに近づいた道を歩く。
夕焼けの色が気持ち悪いほど赤くて、ちょっとだけ怖かった。