少年少女は夢を見る


こんなの、本当の本当に初めてだ。

だって頼は基本的に自分の意見を主張したりはしない。


死にたいということについては何よりもはっきり言うけれど、それ以外はからきしだ。

ふらりふらり、誰かの意見に寄り添うようにしていつも流されている。

それが、頼だったのに。


なんで、私が悪いの?

この前説教じみたことを言ったから怒ってるのかな。

「頼、あのさ…」

怒ってる?と聞く前に、彼は厳しい声で言い放った。


「話しかけないで」

…なんでよ、頼。

私たちずっと、「友達」だったじゃない。


なんで今さら、そんな風に離れていこうとするの。


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