少年少女は夢を見る
クラスの黒板にでかでかと書かれた、私と好きな人の相合傘。
消す気にもなれなくて、それ以前に目の前で起きたことがわからなくて。
ただ呆然としていた私は、頼が怒った顔で黒板を消している時になって初めてすべての繋がりを知った。
私は瑞姫にしか話していない。
瑞姫が言ったんだ。
親友だと思ってたのに。
秘密にしてくれるって信じてたのに。
放課後になってようやく涙が出てきた私の側にいてくれたのは、瑞姫じゃなくて頼だった。
親友なんて、薄い繋がりだ。
言葉だけの口約束。
それを破ったら法律で罰せられるわけでもない。
どれだけ裏切られた側が、傷付いたとしても。