校舎と夕日の間から
やきそば屋
文化祭当日の朝は、俺の願い通りの晴天だった。
暖かい日差しの中でテントを張る俺と男子生徒。
女子は、家庭科室で野菜を切って、運ぶ係りの男子に渡す。
見事な連携プレーで、また俺を驚かせてくれた。
テントの位置から見える家庭科室の窓。
見上げた俺が一番に見つけたのは、直の姿だった。
笑顔が消え、必死で野菜を洗っている直。
今回の文化祭では、食べ物屋は半分くらいで、後は、お化け屋敷とヨーヨー釣り、そして、体育館での劇。
有志バンドのライブは毎年恒例の人気イベントだった。
未知の可能性を秘めた若者のパワー。
みんなの自己主張が輝く日。
俺は、学校が好き。
必死で今を生きる生徒が好き。
文化祭も体育祭も、俺は学生時代に戻ったように興奮してしまうんだ。
戻れるなら…
直と同じ高校に通ってみたい。
直と
一緒に、授業を受け、一緒に弁当を食べたい。