校舎と夕日の間から
愛情たっぷり昼ごはん
キーンコーンカーンコーン
交代時間を告げるチャイムが鳴る。
「先生、昼ごはん作ってきたよ!!」
やきそば屋さんの模擬店をしている俺は、昼飯はやきそばだと思っていた。
正直、腹が減って何度かつまみ食いをしていたせいで、
もうソース系を食べる気分ではなかった。
中田ゆかりが差し出したお皿に乗っていたのは、パスタだった。
誰が作ってくれたのか、それは聞かなくてもわかるんだ。
直の大好物だったせいで、
俺もいつの間にか大好きになっていた『カルボナーラ』…
ゆかりの背後から顔を出した直が俺にウインクをした。
テカテカしたおでこがかわいくて、抱きしめたくなる。