校舎と夕日の間から
俺の腕に絡みつく荒木。
お化け屋敷の中は、ひんやりとして、不気味だった。
高校の文化祭だとは思えないくらいの立派なお化け屋敷で、感心しながら奥へと進んだ。
キャーと言いながら俺に抱きつく荒木を、俺はどうすればいいんだぁ。
俺は、荒木に「大丈夫だって」と言いながら、お化け屋敷の中をチェックしていた。
予行演習だ。
直と後で、入るかも知れないお化け屋敷。
この真っ暗な中でなら、直を抱きしめることも可能じゃねぇ?
おっと…だめだめ。
直は大事な生徒。
俺は直の担任。