校舎と夕日の間から
俺は、1年生の出している風船屋さんでピンクの風船を買った。
まだ遠くに確認できるピンクのリュックサックに向かって走った。
「あ…これ!!」
俺が差し出した風船を見て、目を輝かせた。
俺の顔を見た娘は、まだ他人のフリ。
「ありがとう!!」
にっこり笑って、手を振った。
母親が「ごめんね、勝手に来て」と申し訳なさそうな顔をした。
俺は娘の頭に手を乗せて、「またな!元気で」と言い、背を向けた。