校舎と夕日の間から
中庭には、もう直の姿はなかった。
さっき直の作ったカルボナーラを食べた廊下は、もう陽が差し込んではいなかった。
さっきよりひんやりしている廊下を歩きながら、
俺は心の中に交互に現れる2つの笑顔を瞳の奥に焼き付ける。
俺の為に我慢する2人の愛しい人。
胸の奥が苦しい。
音楽室の前を通り、その奥のお化け屋敷の前へ。
ジャングルの中に咲くひまわりのように、
人込みの中で輝く笑顔。
俺の心の中のモヤモヤや
後悔や、葛藤を…
全部包み込んでくれるような優しい笑顔で、俺に微笑む。