校舎と夕日の間から
いつの間にか俺は直の手を握っていた。
久しぶりの直の手の温もりで、
俺はさっきまでの罪悪感が消えていた。
荒木と入った時にはいなかった新しいお化けが登場した。
感謝!!
3つ目入道の格好をしたお化けが、突然俺と直に襲い掛かる。
直…
やったぁ!
俺に抱きついたぞ!
こんなことでもない限り、直を抱きしめることなんてできねぇもんな。
段ボールに囲まれた隅で、俺は力強く直を抱きしめた。
「先生、だめだよ…」
「いいだろ、これくらい」
「先生、好き」
「知ってる…俺もすき」
誰にも聞こえないように、
俺と直はお互いの愛を自分の体に充電した。
これで、卒業までの時間…
直と会えなくて寂しい夜も…
後悔で眠れない夜も…
この温もりを思い出せば、笑顔になれる。