校舎と夕日の間から
オレンジの空に雲が浮かぶ。
薄っすらと出た月までもが、俺のかわいい生徒達を精一杯照らす。
もう来年はいないんだな、お前ら。
もう、卒業しちまうんだな。
教師っていう職業は結構寂しいもんなんだ。
大事な生徒を飛び立たせるのが仕事だけど、いざ飛び立ってしまうと寂しいもんだ。
どんどん新しい歴史ができ、ここで大きくなって、みんな巣立っていく。
俺達教師は、ここから巣立った生徒を、
見送ったあともその先をちゃんと見守っている。
いつでもここにいるから。
俺はここにいるから、いつでも帰ってこい。
元気な顔を見せに戻って来い。
何か壁にぶつかって、悩んだら、ここへ来い。
校舎も、この夕日も…
お前らを忘れはしない。