校舎と夕日の間から
男子の数の方が少ないこの高校では、
仕方がないことかも知れないが、せめて事前に教えておいて欲しかった。
教えられていれば、俺は…直の近くの輪に入ったのに。
そして、俺をじっと見つめる荒木に気付く。
斜め前で、嬉しそうに俺を見て、手を振る荒木。
どうして、直は後ろなんだぁ?
直と踊りたかった。
直はきっと俺が他の女子生徒と踊る姿を見ないように見ないように、必死なんだ。
振り向く俺が見たのは、直の笑顔。
キャンプファイヤーの熱のせいで、顔が熱い。