【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
Lesson Ⅰ -キス魔な家庭教師-
「お兄ちゃん!」
ずっと前、隣に住んでた女の子。
たった3か月で引っ越してしまったけど、俺の記憶の中には鮮明に残ってる。
「見てみて、お兄ちゃん! いちばんだよ!」
幼稚園の“1等賞”と書かれたメダルを首から下げた女の子に、俺はフッと笑って言った。
「良かったな」
親が有名な会社の社長、という事もあって友達は少ない。
大半のヤツらが、俺と関わると何かあったときに大変だ、と親が俺に関わらせないようにしてたらしいけど…。
この子だけは、やたらとなついてきた。
…でも。
お兄ちゃん! といつもいつも駆け寄ってきたその子がパッといなくなった途端…。
「……………………」
俺の人生から、色が消えた気がした。
「舜佑くんは、彼女作らないの?」
「んなもんいらねぇよ」
馴れ馴れしく触ってくる女を冷たくあしらう。
…俺が求めてるのは、お前じゃない。
もう会えそうにもないアイツ。
こうして、時々あの子を思いだしては忘れて…と繰り返し、気付けば約15年。
…そんな時が経った今、忘れかけていたアイツがまた、俺の前に姿を現すことになるとは…。
予想もしていない俺だった。
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