【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
別にそんな急ぎじゃないし…!
ヒマじゃないんだったら別の日でも…。
「なんて顔してんだよ。普通にヒマだし」
はわはわと慌てていた私は、穂見くんにでこピンを一発お見舞いされた。
…よかった、ヒマって言ってくれて。
いきなり来たし、迷惑だったらどうしようって思ったけど…。
来てよかった。
っていうか、私どんな顔してたの!?
…いつも変な顔だけど、友達とかに言われるとちょっと傷つくよね。
まぁ、ウソはないんだけど。
「み、見なかったことにして?」
一瞬そっぽを向いてそう言ってから、
「それでね、今日は勉強のお礼になにか奢ろうかな?とか思って待ってたの」
今日の趣旨を、やっと伝えることができた。
長かったぁー…この道のり。
これ言うのに、30分くらいかかっちゃった。
「別にいいのに。律儀だな」
言えたことに感動していると、穂見くんからはそんな言葉が。
“律儀”って……“当たり前”の間違いだよ!
あれだけ勉強見てもらって、何もお礼しない方がおかしいと思う。
………だから。
「取りあえず、なに奢ってほしいか考えておいてね?」
そう言って、私は穂見くんと一緒に駅の方へ歩きだす。