【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
そういえば私……。
男の子と二人っきりで出かけるの初めてだ。
なんだか、ウキウキとわくわくが入り混じった楽しい感じ!
みんな、こういう経験をしてるんだよね。
いいなぁ~。
もっと早く体験したかった。
…思いだしてみれば、悠ちゃんとも二人で出かけたことなかったもんなぁ。
うふふふふ、と奇妙な笑みを浮かべている私に、穂見くんがハッと思いついた顔をした。
「合格祈願のお守りが欲しいかな…」
ま、まじですか…!?
さすが学年…いや、校内トップ…!
欲しいモノも勉強関係ですか…。
なんかもう、次元が違う。
私は尊敬のまなざしを向けながらも、ついため息を吐いてしまった。
「じゃ、じゃぁ、それはお正月っ!………ってそういえば穂見くんって、どこ受けるつもりなの?」
と同時に、穂見くんについて全然知らないことに気付く。
私って……観察力ないのかな…。
舜くんについても、まだ全く知らない。
“まだ”だからねっ!
これから知る……もん…。
心の声に多分、と付け足した私に、穂見くんは声色一つ変えずに言ってきた。
「あぁ、峰龍大学の医学部。」
ほ、ほほほほ……!?
「うそっ!?」
それを聞いて、舜くんのことなんか頭から吹っ飛んだのは、言うまでもなく……。