【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
そんな俺に、山井悠河は顔の前で手を合わせて頭をさげる。
「俺の幼なじみの勉強、見てやってくんね?」
…そういう事か。
峰龍大学一の秀才、とか噂立っている俺。
実際、秀才でもなんでもないが…。
俺は一瞬考えたけど、すぐに答えを出した。
「悪いが、そこまで暇じゃない。他を当たれ」
そう言って、山井悠河より先に講義室へと入った。
ガキの勉強見てる暇なんてねぇよ。
親の会社の経営だって手伝わなきゃいけないから。
大学の講義に、会社の経営。
オマケにサークルの助っ人で来てほしいとか言われてたら、もう余っている時間なんてないんだ。
俺が講義室の一番前の席へと座ると、山井悠河はその後ろへと座った。
「なー、頼むって」
まだ言うか?
懲りないやつだな。
「無理だ。」
「どうしても?絶対?」
「あぁ、絶対。」
キッパリと断言すると、さすがに諦めたのか、彼は引き下がった。
…そして、ちょうど来た女に声をかける。
「あのさ!」
「へっ!?な、なに…?」