【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
…さ、3歳差だ。
もしかして、本当にあの“ひな”か?
違う確率の方が格段に上だが……。
「おい、山井」
講義が終わり、気付いたときにはもうアイツを呼び止めていた。
山井は一瞬驚いた顔をしながらも、すぐに笑顔になる。
「さっきの話、まだ有効か?」
「え?」
「家庭教師。」
それだけ言うと、山井はパッとさっきとはくらべものにならない笑顔を見せる。
「有効、有効!教師になってくれんの!?」
…いや、正確に言えば家庭教師な…。
「教師がしたいってワケじゃないけど……。バカには興味あるから」
“教師がしたい”なんて言えば、嫌でも続けなきゃならなくなる。
同姓同名のヤツだったら、即効やめるし…。
まぁ、取りあえずあの春沢ひなか確かめる、それが最優先だ。
「あ…そ。なんでもいいけどありがとな!じゃ、また連絡する!」
山井は不思議そうな表情を浮かべながらも、手を振って走って行った。
まさか本当にひなだったとは、夢にも思わなかったけどな……。
「ひな、頑張ってるみたいじゃん?テストよかったってさ」
悠河のそんな言葉で、トリップしていた心が戻ってくる。