【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
「お、起きれるー?歩けるー??………っきゃぁ!」
そう声をかけながらゆっくり頬を叩くと、舜くんが態勢を崩し……。
「ん………ぅん…」
あろうことか、私の腰に腕を巻きつけて玄関で寝てしまった。
ま、マジメにどうしよう、この体勢…。
取りあえず、私のベッドでいいから移動してほしい。
さすがにここで寝ちゃったら、舜くんが風邪引いちゃう…。
そ、そうだよっ。
明日、イブ!
舜くんが風邪引いたら、楽しみにしてる彼女さんに失礼だよ!!
あの日出て行ってしまった彼女さんと、ちゃんと仲直りして幸せになってほしい私は、やっとの思いで靴を脱がせ…。
自室まで舜くんをずるずると引きずる。
「ほ~ら、舜くん……じゃなかった、お父さん!」
私は舜くん、と呼びかけて言い直した。
…すっかり忘れてたよ…。
今の舜くん=お父さん。
今から私の部屋に入るのは、お父さんだからねっ。
「ん………ひな、行くな……」
なんとか部屋の前まで引っ張ってきた私に、そんな寝言が聞こえてきた。
いや、行くなって…。
行かないと、風邪引くの舜くんだよ?
「じゃぁ、一緒に行こう?」
そう言って腰に巻かれている手を離そうとしたら、逆に強めらる。