【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
いつも、一人の朝を過ごしてたけど……。
たまには誰かと過ごす朝っていうのもいいかもしれない。
「じゃ、風呂借りるわ。」
そう言って洗面所に入ってく舜くんを見送りながら、朝ごはんの用意をする。
あ、着替え…!
さすがにお風呂あがってまたお酒臭い服着るのは嫌だよね。
確か悠ちゃんがお泊りセットとか言っておいて行った着替えがあるから、それを貸そう。
なんて思いながら服を置いてまたキッチンに戻る。
えっと、舜くんは紅茶派だったっけ?
……あ、コーヒーしかないや。
今日は我慢してもらう。
「風呂ありがと」
ちょうどお湯が沸けたころ、舜くんがお風呂からあがってきた。
「あ、悠ちゃんのパーカーとジャージでよかった?」
「ん、ありがと」
……お風呂あがりもカッコいい…。
なんて言うの?せ、セクシーみたいな…?
「ひなさ、勉強どう?」
ぼけっと舜くんを眺めながらご飯を並べ終わると、ふいにそんな質問が飛んできた。
ど、どうって…。
私は視線を落としながら、椅子に座ってコーヒーをかき混ぜる。
「うーん…。どうだろう?自分ではがんばってるつもりだけど、穂見くんや美織ちゃんに比べたら…」
きっと、全然足りないんだろうな…。
みんなはどのくらい勉強してるんだろう?
も、もしかして寝てないとか…!?
…穂見くんだったらあり得るかも。
コーヒーカップから漂う白い湯気を、じっと見つめてそんなことを思っていると、舜くんから不服そうな声がした。
「そういえばさ、“穂見くん”ってヤツにも勉強教えてもらってたって?」
あ、そういえば、舜くんには言い出しにくくて言ってなかったんだ…。
穂見くんのこと。
…いい機会だし、今言おうかな。
「穂見くんには、学校の勉強を教えてもらってて……。志望校一緒だからお互い頑張ろうって…」
パンにジャムを塗りたくりながら、舜くんに事情説明を始める私。