【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
「それで、えっと……」
でも、その後が続かない私に、舜くんが口をはさむ。
「あぁ、あのカフェにいた…」
「そ、そう!その人!」
例のカフェ……ね…。
一瞬、あの時見た綺麗な女の人が脳裏をよぎった。
あの人も……同じ大学なのかな…?
だったら、峰龍大に行きづらいなぁ…。
って、また深く考えすぎちゃうよ。
別に、あの人がいてもいなくても私には関係ないのに…。
最近繊細になっちゃったのかな?
「………ひなさ、俺に聞きたいこととかない?」
一旦頭を真っ白にしようとジャムパンにかぶりつくと、舜くんがふいにそんなことを聞いてきた。
…聞きたいことって…。
どの範囲で、だろう…?
と思ったけど、すぐに舜くんを見て頷いた。
「あるよ。特に、数学で聞きたいことなんて数えられないほど…」
山ほどあるよ。
それに、勉強面以外でも…。
あの人って正真正銘の彼女さんなのか、とか。
…最初から、本当に誰でもいいから私にキスしてたの?とか。
これっぽっちの気持ちもこもってないキスだったの?とか………。