【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
縁がなくたって、別にいいものだったのに。
自分の気持ちが恋愛感情だって気づいたころには、もう遅くて。
相手は舜くんだって…。
とてもじゃないけど叶わない恋だってわかってたのに。
「好きでっ……大好きでっ…………」
どうしようもなくなってた。
舜くんの好きなモノも、嫌いなモノも、誕生日も……。
何も知らないけど………。
「…ふぇぇ………ひっく…」
「……余裕で1分越えてんな」
そう言った舜くんのおかげで、今まで叫びまくっていた自分に気がつく。
…い、言っちゃった…。
余計なことまで…。
ズズッと鼻水をすすると、舜くんに涙を拭きとられた。
「い、いたっ…」
「いんだよ。こんくらい強くて」
シャツの裾で、何度も私の目をこする舜くん。
充血したらどうするのっ!
誰にも会えない顔になっちゃうよ。
と、反論もできずにおとなしく涙を拭いてもらっていた私に、小さな声が聞こえた。
「…………よ」
「え?」
やっと目が開けられる状態になった私は、舜くんを見る。
「だから、彼女なんかいねーって」
う、うそ………。
うそだよ!
信じられない、と表情で訴えていると、舜くんは私から目をそらして頭をかいた。