【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
だって、あのカフェで見た綺麗な人…。
どっからどう見ても、恋人同士だとしか思えないよ…。
痴話喧嘩って言えばいいのかな?
「いや、アレは………」
思っていることが声に出ていたのか、舜くんには私の考えていることがお見通しなのか。
「婚約者っつーの?…言うなら、政略結婚の相手」
舜くんは苦虫を噛んだような顔でそう言った。
えっ!?
こ、こここ婚約者!?
政略結婚!?
いまどきそんなのあるの!?
最近は、どんなドラマでもそんな設定使わないのに…。
現代にそういうことが起こっていたとは…。
「だけど、俺はイヤなんだよ」
口をポカーンと開けたまま静止している私に、舜くんが視線を戻す。
も、もしかして…。
あのときカフェでケンカしてたのは、そのことで…?
ってことは、あの人は舜くんの彼女じゃないってこと…?
な、なんだぁ~……。
とりあえず、すっごくホッとした。
…と同時に、自分がとっても勘違い女だったということに気付く。
私、勝手な勘違いでいろいろ悩んで…。
先ほど、羞恥も忘れてスゴイことを泣き叫んでしまった。