【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
うっ、寒い…。
もう少し厚着するんだった…。
震えながらも少し歩くと、峰龍大が見えてきた。
「あれだな。入試で一回来てるけど、やっぱすごい人……」
穂見くんも、峰龍大の前にいるたくさんの人に驚きの表情を見せている。
ほ、本当だ…。
あの人数の中で受かるなんて…到底無理だよ。
私の受けた心理学部は、倍率約5倍。
5人に1人が受かるって事だよ?
…逆に言えば、5人中4人は落ちるんだ…。
そう考えると合格発表がすごく憂鬱に思えてきた。
「あ、開いた。俺らも入ろうぜ」
裕貴くんの声で、現実の世界へと戻される。
確か裕貴くんや穂見くんなんかの学科や学部は、倍率10倍とか言ってたなぁ…。
はぁー……。
でも行くしかない、よね…。
「春沢さん、心理はあっちみたい」
「うん、じゃぁ後で」
峰龍大は学部によって合格発表の場所が違うから、みんなバラバラにわかれる。
悠ちゃんや穂見くん、美織ちゃんと裕貴くん、それにお母さんたちにいい報告ができますように!
そして、なにより…………。
私は穂見くんに教えてもらった方向に進み、番号が書かれた板を必死に見た。