【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
ひなのやりそうなことだ。
結果は……まぁ、大体分かった。
俺はソファからゆっくりと立ち上がり、スタスタと玄関まで歩いていった。
「し、篠崎さんっ?」
靴を履いて悠河の家を出ていこうとした瞬間に呼び止められ、その声に振り返れば、
「ひなの居場所……わかるんですか…?」
今にも泣き崩れそうな顔の“美織ちゃん”。
分かるも何も…。
アイツが帰るところなんて、一つしかないだろ。
俺は彼女に、目を細めて笑ってから、玄関を出る。
頑張ったんだろ?
自分なりに、勉強したろ?
受験の大変さ、わかっただけでいいじゃねーか。
……お前は、黙って俺の腕の中にいればいいんだよ。
……………なあ?
「ひな」
ひなの家の玄関の前に、うずくまって嗚咽と涙をこぼしている塊があった。
「お疲れ」
泣くことねーじゃん。
俺はそう言って、ソレをぎゅっと抱きしめる。
すると、すぐにか細い声が聞こえた。
「………ごめん…な…さ……っ…」
「いいって、謝んな」
きっとひなの事だから、今まで教えてくれてたのに…とか考えているんだろう。