【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
舜くんに「俺、ひなが好きだ」って言われた時には一瞬なにが起こったのか理解できなかったし…。
「付き合ってください」って言われた時にはもう、私の心はウキウキだったのに…。
その直後、舜くんがちょっと暴走しちゃったのは怖かったけど。
だけどっ…。
着替えるときや、お風呂に入っているときに目に入る、大量の赤い痕。
首筋から胸あたりまであるけど…。
全部、消えないでって思う。
だって、涙が出たのは、舜くんが別の人みたいで怖くて…。
あの時の舜くんを思いだしては首を振って消していると、
「ひな、トシが伝えたいことがあるって」
戻ってきた舜くんから、開きっぱなしの携帯を差し出された。
トシって……。
花火のときに一度だけ会った、あの田切さんだよね?
そんな人が、私になんの用…?
不思議に思いながらも携帯を受けとって耳に当てると、田切さんの声が聞こえてくる。
『受験、おつかれ!』
「ありがとうございます…」
結果、落ちちゃったけどね…。
舜くんは、田切さんに私の結果を言ってないのかな…?
チラッと舜くんに視線を向けると、なにやらパソコンをいじっていた。
……なんだか、言いにくいな…。
田切さんの声の調子だと、私が受かってると思ってるみたいだし…。
でも、ちゃんと報告しなきゃ。
自分に頷いて言おうと決めたとき、携帯から田切さんの愉快な声が響く
『いやー、本当に良かった!!来年度から、同じ大学だね~』
…あの、それなんですけど…。
なんて言えないよっ!!
き、気まずすぎる…。
喜んでくれてるみたいだし、余計に言いたくない…。