【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
舜くんとうまくいくように……。
「ありがとう。大事にするね!こんなのでよければ………どうぞ」
私はブレザーについていた上下2つのボタンの、下の方を思いっきりちぎる。
一応、第2ボタンってことで。
…っていうか、穂見くんだってブレザーに2つしかボタンついてなかったのに…。
誰かにあげるよう、先にとっておいたのかな?
…そんな大事なのを、私がもらっていいの…?
「ありがと、俺も大事にするわ」
私の手の平からボタンを受け取った穂見くんは、ブレザーのポッケに私のボタンを滑り込ませる。
…本当に、私でいいのかな…?
…でも、記念と思ってくれてるんだったら嬉しいな。
小さく笑って、穂見くんのボタンを大事に制服のポケットに入れると、
「ヒロもボタンちぎられてるっ!ヤダー!!」
美織ちゃんのそんな声がした。
振り向くと、穂見くんと同じくらいボロボロの裕貴くんと、泣きそうな美織ちゃんが。
……美織ちゃんったら、みんなと話してるときは泣かなかったのに…。
裕貴くんのことになると、別人のよう。
なんだか、可愛いな。
「春沢さん、山井先輩がそこまで車で来てるからって」
穂見くんにそう耳打ちされ、私はハッとする。
「そういえば、なんか卒業パーティーするって言ってた!」
昨日、悠ちゃんから来たメールに、そんなことが書いてあったような…。
確かね、と付け足すと、美織ちゃんに腕を引っ張られる。