【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
やっとの思いでキスから解放してもらい、ゼーハーと肩呼吸をしていると、
「そんな状態で、よく俺に刃向おうと思ったよな。ひーな?」
ニヤッと笑う舜くん。
…や、やっぱり舜くんには勝てっこない…。
これから心理学部でたっくさん学んで、いつかぎゃふんと言わせよう。
…いや、言わせてみせる、絶対!
くぅっと下唇を噛んで悔しい思いをしながら座っていると、舜くんは私が持っていた花束やお菓子を強引に取り、勢いよくすべて後部座席に投げた。
「あ、ちょっと……!」
「持ってたって邪魔なだけだろ」
邪魔って……。
せっかくの思い出を…。
後輩からもらったものから卒業アルバムまで、すべて後部座席に置かれてしまった。
「シートベルト着用義務」
そして、舜くんはそう言うと、私が座っている助手席のドアを勢いよく閉める。
はい、しっかりします。
…今思ったんだけど、舜くんも悠ちゃんも免許持ってたんだ。
なんだか、意外。
「悠河、先行くぞ」
「おう!後でな~」
舜くんと悠ちゃんのそんなやり取りが聞こえ、気づけば車は発信していた。
長年お世話になった学校とも、今日でお別れか。
この校舎には3年しかお世話になってないけど、小学校からこの付属校にいたのは事実。
半年前まで、みんなとお別れなんかしなくていいと思ってた。
卒業式って、ダルいなぁって思ってた。
…でも、峰龍大に行くことが決まって…。