【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
嬉しいこともあるけど、悲しいこともある。
キセキ的に入れた峰龍大学も、これから知らない人がたくさんいるとなるとなんだか憂鬱。
むしろ、大半の子の事を知ってる女子大にそのまま行けたらよかったんじゃないかって考えちゃう。
「そんなに別れんのが辛い?」
ずずずず…とシートからずり落ちていく私に、舜くんが前を見ながらそう聞いてくる。
…そりゃ、もう。
聞かなくてもわかるでしょ。
辛いどころじゃないよ…。
「………………んっ…」
ずっと無言で虚ろな目をしていると、突然ふわりとキスを落とされた。
な、ななななな…!?
「う、うう運転中!」
「信号、赤だし」
余裕を醸し出し、ペロッと自分の下唇をなめて見せた舜くんを見て、思わずシートに座りなおす。
…こんな時でもキスできちゃう舜くんって、なんなの…?
っていうか、今の行動……。
私で遊んでない!?
「お前、ブレザーのボタンどした?」
ムスッとして窓の外の景色を眺めていると、隣から少し低い声が聞こえた。
あっ、今まで花束で隠れてて見えなかったけど、ボタンなかったんだ!
…穂見くんたちみたいに、明らかに女の子にボタン取られましたっていうのは別として。