【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
両親が海外で仕事をしている私を、大切にしてくれてるのはわかるんだけど…。
「イジめられたのか!? どうしたんだ? 俺に言ってみろ?」
ちょっと過保護。
私は慌てて美織ちゃんから離れ、手のひらを悠ちゃんに見せるように振った。
「た、たいしたことじゃないよ!」
…テストで赤点とりました、なんて言いたくない…。
恥ずかしいことこの上ないよ。
「嘘だ!遠慮すんな!」
う、嘘じゃないってばぁ!
必死になって心配している悠ちゃんと、なんとか取り繕う私を見かねてか、美織ちゃんがため息をつく。
「悠河、ひなはね、テストの結果に泣いてるの」
…一瞬にして報告されちゃった…。
プリントの山から美織ちゃんが悠ちゃんに差し出したのは、名前の横に「2」と赤い字で書かれた紙切れ。
それだけは……!
それを見た悠ちゃんは、目を丸くした。
「だ、ダメッ!」
は、はずかしすぎる…!
2点なんて、もう2度と取らないから見ないでほしいっ!
バッと悠ちゃんからテスト用紙を取ると、ハハッと笑われる。
…なんで?
どこがおかしいの…!?
そんなに笑うことないじゃん!
私は悠ちゃんに、驚きとちょっとだけ怒りが混じった視線を向けた。