【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
なんて思っていると、すぐにあの人の顔が浮かぶ。
行きたいけど、行きたいけど…!
「ダメだ、来週みっちり家庭教師さん…」
舜くんに言ったら、花火なんか見ても時間の無駄、と一刀両断されそう。
それより宿題終わったのか?とか聞いてきそうだし…。
ズドーンと落ち込んでいると、美織ちゃんが少し不満そうな声を出した。
『ひな、行こうよ~!ヒロが一緒に行ってくれなくて!』
そんな事言われてもっ!
あ、“ヒロ”とは、美織ちゃんの彼氏で同い年の裕貴くん。
隣の超エリート男子校に通う、王子さま的な人。
私の女子校とは、はるかにレベルが違う。
…私なんかとは正反対って言っても過言ではないほどの外見、頭脳。
そんな学校の王子・裕貴くんは、名前も難しかった…。
だって、コレ(裕貴)でヒロタカって読むんだよ!
私、普通に“ユウキ”って読んじゃった。
『お願い!家庭教師さんには悠河から話すよう言っとくから!!』
懇願する美織ちゃんに、少し心が揺れた。
…悠ちゃんが話を通してくれるなら…。
私はやろうと思った問題集を閉じる。
「いいよ。そのかわり、しっかり舜くんを説得してねっ?」
『あいよー、了解!じゃ、買い物行こう!』
そのあと、宿題はそっちのけで美織ちゃんと買い物に行った私だった。