【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
……そっか。
やっぱり冗談だよね。
こんなに本気でびっくりしたの、何年ぶりだろう?
はーっと安堵の息を吐いた時、胸の辺りが少しチクリとしたのがわかった。
………?
冗談で、よかったのに。
なのになんだろう…。
なんか残念っていうか、どっちかって言うと、期待して損した、みたいな感じ…。
…って、ないない。絶対ない!
期待なんかしてないよ。
ブンブンと首を振っていると、舜くんから意地悪い声が聞こえる。
「あ、もしかしてヤられたかった?」
…んなわけないでしょっ!
黒い笑みは消え、イジワルそうな笑みを浮かべている舜くんからすぐに離れた。
また、「まだキス余ってんじゃん」とか言ってキスしかねない!
「もう時間おわりだよ!」
これ以上舜くんといたら、変になりそうだよ。
今日はもう、ドキドキ終了!
「じゃー…これ全部、月曜までにやっとけ」
舜くんはそう言って問題集を一冊渡すと、部屋を出て行った。
…これ全部って………。
私は舜くんから出された宿題を目の前に、花火大会がちょっと遠のいたのを実感した。