【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
俯いた私は、自分でもわかるくらい顔が真っ赤。
舜くんはまた、人ごみの中を進んでいく。
…握られている右手が、すっごく熱い。
…でも、離さないでほしい。
へ、ヘンな汗とかかいてないかなぁ…?
コイツ、歩くの遅いな、とか思われてたらヤダなぁ。
尋常じゃない緊張感に、思わず不安が生まれてくる。
そんな私とは対照的で余裕な舜くんは、パッと手を離して…。
「まぁ、なんでもいいけど。ココ本部だから」
そう言った。
え…もう着いちゃったの?
私は思わず、舜くんを見上げてすぐにガクッと頭を垂らした。
長いようで短い時間だったなぁ…。
今まで手をつないでいた時間が、少し名残惜しい。
舜くんは、もうお店に戻るのかなぁ…。
…そうだよね。さっき催促の電話が来てたみたいだし…。
と落ち込んでいると、舜くんが突然私を引き寄せる。
「…………!」
唇の端っこ、ギリギリ触れるか触れないかの所に、キスを落とされ……。
な、なななな…!
勉強中じゃないのに…!
さっきよりも顔を真っ赤にして、ぱくぱくと泡を吹きそうな私に、舜くんは妖艶な笑みを見せた。