【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
「ごめんなさい……」
結局、走って走って家に着いたのは4時過ぎ。
舜くんは、玄関の前で本を読みながら待っていてくれた。
こんな寒いのに外で待たせて、悪い事したな…。
「慌てなくていいよ」
舜くんはそう言いながら、読みかけの本をしまう。
私はすぐに、ガチャリと鍵を開けて舜くんを部屋まで誘導した。
どう切り出せばいいかなぁ…?
やっぱり、率直に『峰龍大学に行きたいんだけど…』って言う?
いや、それはちょっと…。さすがにバカに磨きがかかったと思われちゃう。
「なんかあった?」
す、鋭い…!
さすがは舜くん…。
落ち着きのない私を不審に思ってか、舜くんにそう聞かれてビクッとしてしまった。
「なんでもない……。お茶入れてきます…」
私はそう言って、自分の部屋を後にする。
切り出し方が、全然わかんないよーっ!
悶々と考え込む私は、あまりよくない思考回路をフル回転させてどうにかいい案を絞り出す。
待って…。私、舜くんと同じ大学に行きたいけど…。
私のやりたいことってナニ?
保育は得意じゃないし、経済なんてもってのほか。
料理は得意だけど、大学に行ってまで栄養学を学ぼうとは思わない。
やりたいことと言ったら……心理とかがいいかな。
一度でいいから、舜くんの考えてることを当ててみたい。