【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
なんて考えながら紅茶を両手に部屋を戻ると、舜くんは何やら問題集を並べていた。
「どうしたの?それ……」
“峰龍大学”の過去問題、赤本……。
問題集を5冊くらい並べて見比べている舜くんをジッと見つめる私。
私、まだ、進路について舜くんには何も言ってないのに…。
過去問題や赤本を、舜くんが必要とするはずない。
…私の為に買ってきてくれたんだって、すぐにわかった。
そのまま何秒か沈黙が続き、舜くんは私に、並べてあった真ん中の問題集を手に取って渡してきた。
「最初のノルマはこれだな」
ちょ、ちょっと待って!
「どうして私が、峰龍大学に行きたいって思ってることわかったの?」
ひと言も言ってないのに!
というか、さっき決めたばっかりなのに…。
不思議に思っていると、舜くんは淹れたての紅茶を飲みながら優雅に言う。
「なんとなく?峰龍の心理学部とか狙ってそう、って思って。」
あ、あたってる…。
なんでもわかるんだね、舜くんは…。
ほけーっと感心していると、舜くんに「20ページ」と言われてすかさず開いた。
………難かしっ!
何コレ…こんなのが出るの!?
何が書いてあるかわからない英文に目を見開くと、舜くんにはいつしかの黒い笑みが戻っていた。
「とりあえずこの問題集30回。残り4冊は50回同じの解くぞ。今回はひとつ間違えたら2回キス」
頑張るなんて、前言撤回したい!
……この大魔王、誰かなんとかしてくださいっ!!