【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
なんて思っていると、すぐに手が止まってしまう。
「ほら、わかんなかったら聞けって」
「あ…うん」
いつもだったら、「ヒント提供料」とか言ってキスしてくるのに、今日はしないんだ…。
本気で教えてくれているんだなぁって思う。
…絶対、峰龍大学行く!
「これがココに来るから、動詞はこっち。あ、その下の問題も同じ」
最初の1問は舜くんに手伝ってもらったけど、あとの問題はすらすら解けた。
わぁ、やったぁっ!
英語が楽しいって感じられたの、生まれて初めて。
5問解き終え、惜しくも1問間違えたけど、この前よりは正解率が上がってる。
…やる気って、大切だ…。
よしっ、この調子!と張り切ったとき、髪の毛にチュッとキスされた。
「ちょ、舜くん…!?」
いっぱい正解したのに!
「1問間違えただろ?…もう一回」
今度は、抵抗する私の頬にキスが落ちる。
…どうやら舜くんは、100個の正解より1つのミスを重視するらしい。
わ、私は100個の正解重視で行こうっ。
だって、舜くんと同じ大学で時を過ごしてみたいんだもん。
募る想いに比例するように、やる気がみなぎってくるのが、自分でもわかるの。
もしかして、私って単純…?
「余計なこと考えるな」
ちょっとでも頭の中が勉強から遠退くと、すぐに指摘される。
今は、一心不乱に頑張ろう!!!
…そう決めた私は、クリスマスデートがかかっている期末試験をすっかり忘れていた。