【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-





ふぁ~……。




昨日は遅くまで勉強したから、すっごく眠い。



けど、今日から新たに“朝ベン”が始まるんだ。



教えてもらう方だし、先に着いてなきゃいけないよね。




って思って、いつもより数倍早起きしたのに…。




「おはよう」




…ガーン。




せっかく早く起きて来たのに…。




穂見くんはすでに図書館にいた。




……先越されちゃった。




「おはようございます…」




でもまさか、本当にいるとはね…。




半信半疑で来たのに、すでに来てたなんてびっくり。




私は優雅に本を読んでいる穂見くんを見つめた。




…そんな彼は、私を一瞬見てから本をしまう。




「春沢ひな、俺と同い年。前回の休み明けテストで最下位」




伏し目がちにそう言われ、思わずビクッと肩が跳ねた。




…な、なんで知ってるの…?




見ただけでわかったの…?




あまりにも唐突に言われて、何も言えない私に、穂見くんはフフッと笑う。




「だって俺が昨日職員室に呼ばれたの、キミの勉強を見てほしいって頼まれたからさ」




そして、昨日持っていたと思われる書類を見せられた。




…………げっ。




春沢ひなと書いてある名前の下には、忌まわしいテストの記録…点数がばっちり記載されていた。




まさか、これ全部……。




聞くまでもない、絶対見られた。




「ま、あと1か月もないし、やれるだけ頑張ろう」




落ち込みと動揺を隠せない私に、穂見くんはそう言って慰めてくれた。




…なんか、舜くんとは全くタイプが違うかも…。




というか、逆…?







< 78 / 192 >

この作品をシェア

pagetop