【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
ふぁ~……。
昨日は遅くまで勉強したから、すっごく眠い。
けど、今日から新たに“朝ベン”が始まるんだ。
教えてもらう方だし、先に着いてなきゃいけないよね。
って思って、いつもより数倍早起きしたのに…。
「おはよう」
…ガーン。
せっかく早く起きて来たのに…。
穂見くんはすでに図書館にいた。
……先越されちゃった。
「おはようございます…」
でもまさか、本当にいるとはね…。
半信半疑で来たのに、すでに来てたなんてびっくり。
私は優雅に本を読んでいる穂見くんを見つめた。
…そんな彼は、私を一瞬見てから本をしまう。
「春沢ひな、俺と同い年。前回の休み明けテストで最下位」
伏し目がちにそう言われ、思わずビクッと肩が跳ねた。
…な、なんで知ってるの…?
見ただけでわかったの…?
あまりにも唐突に言われて、何も言えない私に、穂見くんはフフッと笑う。
「だって俺が昨日職員室に呼ばれたの、キミの勉強を見てほしいって頼まれたからさ」
そして、昨日持っていたと思われる書類を見せられた。
…………げっ。
春沢ひなと書いてある名前の下には、忌まわしいテストの記録…点数がばっちり記載されていた。
まさか、これ全部……。
聞くまでもない、絶対見られた。
「ま、あと1か月もないし、やれるだけ頑張ろう」
落ち込みと動揺を隠せない私に、穂見くんはそう言って慰めてくれた。
…なんか、舜くんとは全くタイプが違うかも…。
というか、逆…?