【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
穂見くんは、絶対誉めて伸ばしてくれるタイプだ。
舜くんは、間違えを楽しみにするタイプだからなぁ…。
「ほら、何から?」
あっ、やば…集中!
穂見くんが笑顔のうちに教科書を取り出し、ページを開く。
「えと…じゃぁ古文を…」
ちょうど出した教科書が国語だったため、苦手な古文にしてもらった。
だ、大丈夫かなぁ…?
私のバカさ加減をわかってくれているといいけど…。
なんて心配は無用なことを、私は後でことごとく知ることとなる。
「あれ?俺が思ってたよりも出来てるな」
本当にっ!?
わー!なんかそう言われると嬉しいな。
いつも意地悪な舜くんとの違いに、すこしドギマギするも、
「次はね、レ点がついてるから下から先に読むんだ」
……わかりやすい説明に、頭が自然とついていける。
穂見くんの説明の仕方は、馬でも鹿でもバカでもわかるほどわかりやすすぎるよ!!
舜くんももちろん解りやすいけど、キスだのなんだのでイマイチ集中できないんだよね…。
プラス、舜くんと勉強してるとドキドキが勝っちゃって内容があまり頭に入ってこない。
その点、穂見くんとはそういうのナシで、特に意識もせずに勉強できる。
余計な緊張感が少ない分、普段より集中できた。
「あ、もう8時か。じゃ、また明日」
古文、頑張れそうな気がするっ…!
舜くんとのクリスマスも、ちょっと見えてきた…。
「どうもありがとう…!」
私たちは次の日の約束をして、お互いの高校へと向かう。