【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-







教室に入ってすぐに、美織ちゃんが駆け寄ってきてくれた。




そして、私の顔を見るなり一言。




「ひな、すごいクマ…」




え…ホント?




最近鏡なんか見てなかったから、自分がどんな顔しているのかもわからなかったよ。




…というか、今はそれどころじゃなくて…。




「あはは、頑張ってるんだぁ…」




心配そうな眼差しを向けてくれる美織ちゃんに、笑顔を返した。




ふあー……ねむい…。けど頑張らなきゃ。




「授業始めるぞー。席つけ!」




頭の中はすでにパンク状態だけど、マジメに授業も受ける。




ちゃんとノート取っておかないと、舜くんにも穂見くんにも怒られて…。




2度怒られるのはもうカンベンって思って、ちゃんと取ることにした。




「さっそく問題いこう!じゃぁ……春沢、いけるか?」




「は、はい!」




授業が始まってすぐに指名され、私は痛い視線を受けながらトボトボと黒板の前まで歩いていく。




だけど、私は黒板の問題を見てなんとなく正解がわかるような気がした。




だってこの分野、穂見くんと勉強したところ…。




たしか、これが下でこっちが上で…。




いつもよりスムーズに黒板に字を書いていく私を見て、先生は唖然としている。




最後は……これだっ。




全てをかき終えて先生を見詰めると、先生はコホンっと咳払いをしてから呟いた。




「せ、正解………」




や、やったぁ…!




「ひな、よかったね!」




「やったね!ひなちゃん!」




皆にも褒められ、なんだかいい気分。




勉強ってできると楽しいんだなあ。




…できるようになるまでが、すっごく過酷だけど。




隣の席の美織ちゃんにも、「頑張ったね!」とお褒めの言葉を頂けた。




これで、舜くんたちと同じ大学に通うのも夢じゃなくなってきた…!




というか、先にクリスマスデート…!




正解が嬉しくて、ほわほわと意識が飛んで行った私は、そのまま妄想続き。








< 80 / 192 >

この作品をシェア

pagetop