【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
教室に入ってすぐに、美織ちゃんが駆け寄ってきてくれた。
そして、私の顔を見るなり一言。
「ひな、すごいクマ…」
え…ホント?
最近鏡なんか見てなかったから、自分がどんな顔しているのかもわからなかったよ。
…というか、今はそれどころじゃなくて…。
「あはは、頑張ってるんだぁ…」
心配そうな眼差しを向けてくれる美織ちゃんに、笑顔を返した。
ふあー……ねむい…。けど頑張らなきゃ。
「授業始めるぞー。席つけ!」
頭の中はすでにパンク状態だけど、マジメに授業も受ける。
ちゃんとノート取っておかないと、舜くんにも穂見くんにも怒られて…。
2度怒られるのはもうカンベンって思って、ちゃんと取ることにした。
「さっそく問題いこう!じゃぁ……春沢、いけるか?」
「は、はい!」
授業が始まってすぐに指名され、私は痛い視線を受けながらトボトボと黒板の前まで歩いていく。
だけど、私は黒板の問題を見てなんとなく正解がわかるような気がした。
だってこの分野、穂見くんと勉強したところ…。
たしか、これが下でこっちが上で…。
いつもよりスムーズに黒板に字を書いていく私を見て、先生は唖然としている。
最後は……これだっ。
全てをかき終えて先生を見詰めると、先生はコホンっと咳払いをしてから呟いた。
「せ、正解………」
や、やったぁ…!
「ひな、よかったね!」
「やったね!ひなちゃん!」
皆にも褒められ、なんだかいい気分。
勉強ってできると楽しいんだなあ。
…できるようになるまでが、すっごく過酷だけど。
隣の席の美織ちゃんにも、「頑張ったね!」とお褒めの言葉を頂けた。
これで、舜くんたちと同じ大学に通うのも夢じゃなくなってきた…!
というか、先にクリスマスデート…!
正解が嬉しくて、ほわほわと意識が飛んで行った私は、そのまま妄想続き。