【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
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「……な……ひな、大丈夫か?」
あっ……やば…。
舜くんとの勉強中、うとうとし始めた私は自分に喝を入れた。
っ、ひな、辛いけどめげるな。
半年後は、舜くんと同じ大学に通ってるんだっ。
夢を現実にさせたい。
舜くんは、ブンブンっと頭を振って気を取り直した私の頭をポンッと撫でる。
「少し休むか」
その言葉で、私の手が止まった。
休みたい…けど、こんな能無しの私は、休んでる暇がない。
ここで休んで受験に失敗するより、少しムリしてでも大学に行きたい。
「平気だよ。もうちょっと頑張れる」
笑顔でそう言うと、舜くんにふいっと視線を逸らされた。
それでも私は、もう一度止まった手を動かす。
最近は正解率もよくて、それほどキスをされなくなってきたんだ。
本当はしてほしい…けど…。
元々、私たちはそういう関係じゃないしね。
アレは罰ゲームみたいな感じだったし…。
カリカリとシャーペンの音だけが響く中、突然携帯の着信音が鳴った。
「ごめん、俺だ。出てくるな」
ずっと別の問題集に目を落としていた舜くんは、私に一言そう断って廊下に出る。