【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
取り残された私は、舜くんがいるドアの向こうに一瞬視線を向けた。
よくわからないけど、忙しそうだなぁ…。
「無理だ。講義が入ってる」
少し咳払いをした後電話に出た舜くんの、渋い声が聞こえる。
よしっ、少し自力で頑張るか!
舜くんが電話をしてる間に、この問題解いておこう。
…テストまで…残り一週間だもん。
…舜くんとクリスマス過ごせるか過ごせないか決まるまで、あと3週間と少ししかない。
舜くんと出掛けてみたいなぁ。
それでクレープ食べて、クリスマスツリー見て…。
クレープ一筋だった私も、いまや舜くんとのデートばかりを妄想するようになるまでに達している。
クリスマスまで、気が抜けないよ…!
あ…訂正、デートじゃなくて、「舜くんのクリスマスを1日もらえる」だった。
…でもそれも、私次第で夢になっちゃうかもしれない…!
全ては、結果を出すしかない。
この前舜くんに確認したところ、「平均80以上」とのこと。
てっきり1教科でも80以上取ればいい思っていた私は、顎が床に落ちそうなくらい驚愕しました…。
…もちろん、楽しみなクリスマスが近いってことは、辛いテストはもっと近い。
あまりの時間の少なさにくらくらしていると、小さな笑い声が耳に届く。
「死にそうだな、ひな」
そりゃもう…。
一生分勉強したって言ってもいいくらいです。
「最近、間違い減ったしな」
舜くん、嬉しそう…。
私はキスが減って、ショックとか思ってたのに…。
素直に嫌味なく誉めてくれる舜くん。
喜んでいいのかな?
い、いいんだよね…!