【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-









……けど。




やっぱり、やっぱり………!




私は、一旦舜くんの方へ振り返った。




「こ、コレが正解したら、いっかいだけ……」




して、欲しい…。




あぁっ、絶対顔真っ赤だ…。




火が出てるんじゃないかってくらい顔が熱い!




だって、これって、私から『キスしてください』って言ってるようなものだよね?




いつからこんなに大胆になったんだろう…!?




恥ずかしすぎて「いっかいだけなら、いいよ」と言い切れなくて、バッと視線を逸らした私。




そんな私に、舜くんは意地悪く笑う。




「よし。死んでも正解しろ。最近ひなが足りないからな」




死んでも、って…ひなが足りない、って。




別に舜くんの場合、私が足りなくても特に変わりはないんじゃ…?




とか思いつつ、実は嬉しい。




だって、この前読んだ恋愛小説にも、『お前が足りない。もっと欲しい』とか書いてあったもん!




甘々なシーンに使われる言葉のはず!




「早くしろよ。こっちは限界なんだけど」




ふふふ、とニヤケをこらえられない私を、舜くんが笑顔でぶった切る。




は、はい!今やります!




自分に気合いを入れるも、やっぱりニヤニヤ。




限界って…どういう意味で取ればいいんだろう…?




「待ってるのが限界。…他に何があんだよ」




一瞬固まって考えただけなのに、舜くんは私に目もくれずにそう言った。




や、やっぱり一問解き終わるのが遅いって事だよね。




舜くんはきっと、「これじゃ、テスト本番で時間なくなる」って指摘したかったんだよ。




…ちょっとでも『キスが待ちきれない』って意味に取った私が、妄想女炸裂もいいとこだったよ…。









< 87 / 192 >

この作品をシェア

pagetop