【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
……けど。
やっぱり、やっぱり………!
私は、一旦舜くんの方へ振り返った。
「こ、コレが正解したら、いっかいだけ……」
して、欲しい…。
あぁっ、絶対顔真っ赤だ…。
火が出てるんじゃないかってくらい顔が熱い!
だって、これって、私から『キスしてください』って言ってるようなものだよね?
いつからこんなに大胆になったんだろう…!?
恥ずかしすぎて「いっかいだけなら、いいよ」と言い切れなくて、バッと視線を逸らした私。
そんな私に、舜くんは意地悪く笑う。
「よし。死んでも正解しろ。最近ひなが足りないからな」
死んでも、って…ひなが足りない、って。
別に舜くんの場合、私が足りなくても特に変わりはないんじゃ…?
とか思いつつ、実は嬉しい。
だって、この前読んだ恋愛小説にも、『お前が足りない。もっと欲しい』とか書いてあったもん!
甘々なシーンに使われる言葉のはず!
「早くしろよ。こっちは限界なんだけど」
ふふふ、とニヤケをこらえられない私を、舜くんが笑顔でぶった切る。
は、はい!今やります!
自分に気合いを入れるも、やっぱりニヤニヤ。
限界って…どういう意味で取ればいいんだろう…?
「待ってるのが限界。…他に何があんだよ」
一瞬固まって考えただけなのに、舜くんは私に目もくれずにそう言った。
や、やっぱり一問解き終わるのが遅いって事だよね。
舜くんはきっと、「これじゃ、テスト本番で時間なくなる」って指摘したかったんだよ。
…ちょっとでも『キスが待ちきれない』って意味に取った私が、妄想女炸裂もいいとこだったよ…。