【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
せ、せめて寄り道でもすればよかったぁ…。
なんて後悔しても、もう遅い。
トボトボと家の前まで歩いていくと、よく見知った顔の人と全っ然知らない男の人がなにやら話しているのが見えた。
「ひな、遅いなぁ~」
あれは…絶対悠ちゃんだ。
あんな黒地にピンクなんて派手なTシャツ着るの、悠ちゃんしかいない。
…ってそれはいいんだけど、問題はもう一人の方。
「ムリに誘うからだろ。俺は教師がしたいなんて一言も言ってない。…帰る。」
明らかに、見るからに…。
男。
アレは男という性別のヒトという生き物のはず。
…悠ちゃんのお友達?
っていうか、『教師がしたいなんて一言も言ってない』って…?
どういう事…?
幼稚園からずーっと女子校通いの私に、悠ちゃんが男の家庭教師なんて紹介するワケ…ない。
だけど、じゃぁ私の家庭教師さんは?
あの人はなんのためにココに来たの?
こそこそと様子をうかがっていたあたしに気付いたのか、悠ちゃんがこっちに手を振ってきた。
「お~い、ひな!カテキョカテキョ!!」