【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
3時限目
うぅっ…。
男子校って緊張する…。
校門前まで来たものの、10人程の女の子がきゃーきゃー話しているのを見て、やっぱり帰ろうかなぁ、なんて思ったり。
だって、これって出待ちしてるようなものだよ!?
よく考えたら、私、スゴイことしてるよね。
で、でもねっ!
メールしようと思ったけどアドレス知らないし…。
電話しようと思っても、番号聞いてないし…。
ここまで来て待ってるしか、案がなかった。
「うっ……寒っ」
ぴゅぅぅ~っと吹いた風に身震いして、マフラーに顔をうずめる。
やっぱり、帰ろう…。
こんなのうざったいよ。
き、気持ち悪いって思われるかもしれないし…!!
それは困るからっ…!!
私は「きゃーっ」と甲高い黄色い声が上がると同時に、踵を返した。
後日、後日改めて来よう。
ちゃんと連絡取ってからにしよう。
コクコクと心の中で頷きながら歩き出したとき…。
「ひなちゃんっ」
肩を掴まれ、名前を呼ばれたことにビックリしてひっくり返りそうになる。