【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-







私、『ひなちゃん』なんて呼ばれたことあったっけ…?




なんて思いながら振り返ると、そこには息を切らした穂見くんの姿が。




「あ、ほ、穂見くん!」




自分から待ち伏せをしてたくせに、いざ会うとなんか緊張する。




しかも、穂見くんの予定とか全く気にせず来ちゃったし…。




もしかしたら部活とかあるかもしれない。




…やっぱり今度にするんだった!




まだ手汗が止まらないしっ…!




カーディガンの裾でごしごしと手汗をふき取っていると、穂見くんがフッと笑った。




「俺に用、じゃないの?」




そうです!そうですとも!!




コクコクと小刻みに首を縦に振ると、また笑われる。




「さっき教室から春沢さんが見えてさ。急いで来たんだけど、名前呼んでも気付かなくて。」




き、教室から……。




ってことは、帰ろうか待っていようか迷っていたあの挙動不審な動きも見られてたって事…!?




…………恥ずかしい。




最悪だよ…。




それに、名前呼んでくれてたのに、私、気付かなかったんだって。




どうりで、いつもは「春沢さん」って呼んでいる穂見くんが「ひなちゃん」って言うワケだ。




「ごめんね………」




しょんぼりしながら謝ると、穂見くんに頭を軽く撫でられた。









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