【完】キスしてッ! -年上甘々☆溺愛カテキョ-
「平気だよ。あ、テストお疲れ様」
王子様のような微笑みを浮かべている穂見くんに、ついホッと安堵の息を吐く。
穂見くんがいなきゃ、今日こうして立っていることはなかったよ。
未だに教室で死んでたはず…。
あ、そろそろ美織ちゃんに引っ張られて校門出るところかな。
とにかくテスト後にこんなすっきりしてるの初めて。
「うん。穂見くんのお蔭でいい点とれそう」
…だって、解答用紙、全部埋まったもん。
春沢ひなの初快挙だよ。
ありがとう、と付け足して頭をさげた。
「いいえ。で、どした?」
はっ…!
そうだ!
私、なんのためにここまで来たのか、すっかり忘れてた。
勉強のお礼しに来たんだよ。
危うく会話終了でまっすぐ家に帰るところだった。
要件を聞かれ、気を取り直して穂見くんを見る。
「今日これから、ヒマ?」
「そうだな……」
…いきなりすぎたかな?
返答を待っている私の前で、穂見くんは腕を組んだ。
わー!
穂見くん、悩みだしちゃったよ!