Memories



 「…思ったより、暗いね」


 『う…うん』



 会話がない…



 怖いからこそ、何かを話していた方がいいのに…



 「渡瀬さ――」



 宮田があたしの名前を呼ぼうとした時、



 ガササッ、ガサッ…



 『きゃあぁッ!?』



 あたしは草の音にビックリして、その場に座り込んでしまった。



 「渡瀬さん!!」



 少し前を歩いていた宮田は、あたしの悲鳴を聞きあたしの元へ来てくれた。



 「渡瀬さん、大丈夫?」



 優しく声を掛けてくれるが…怖くて動けない。



 『…ごめん』


 「何で謝るの?……ほら、手貸して?」



 宮田に言われたように手を差し出す。


 すると、宮田はあたしの手を掴んでそのまま歩き出す。



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