神崎探偵事務所へようこそ!!
「ちょ、ちょっと!
うら若き乙女になんてことするのよーっ!」
マイクロチップは守らなきゃ!
何が何でも取られてたまるか!
羽交い締めにされてても、両足は自由。足をジタバタさせながら必死の抵抗を見せるけど、
「動くな。
それ以上動いたら、間違えて撃ってしまうぞ?」
「…冗談…だよね?」
「さあ、どうだろうな。
私は気も短かければ、銃の腕もイマイチでねぇ。死にたくなければ、動かない方が身のためだぞ?」
芹沢の冷酷無比な笑顔に、あえなく撃沈。
ーー本気だ。
多分この人は本当に私を殺してもイイと思ってるんだ。
動けば殺す
抵抗すれば殺す
瞳と声がそれを私に告げている。
ーーどうしよう…
打つ手がなくて、頭の中でそればっかりを呟いていると黒服チンピラ男が、マイクロチップを握りしめた私の右手を探り始めた。
「だ、だめっ!!」
思わず漏らした否定は相手にとって確信にすり変わる。
芹沢はニヤリと笑うと
「マイクロチップはその中だ。
さっさと探せ!」
チンピラはその言葉にコクンとうなづくと、強く握りしめた右手を強引に開いて
「あ、あった!!
ありました!!!」
私の手からマイクロチップを奪い取る。