神崎探偵事務所へようこそ!!
③呪われた高校生活
――はぁ~、いつになったら自由になれるの?
ご機嫌な聖ちゃんに
ブルーな私。
わかるよ?
私を大切に想ってくれてるのは
よくわかる。
聖ちゃんはお兄ちゃんだけど
お父さんの代わりもしてくれて
私のコト、誰より大切にしてくれてる
のはよくわかる。
でも……
「じゃぁな、ミュー。
また学校終わった頃に迎えに来るから。」
「うん、ありがとう。聖ちゃん。」
「バーカ、気にすんな。」
学校に着いてバイクを降りると
聖ちゃんはいっつも私を引き寄せて
ほっぺにチュっとキスをする。
「ちょ…!!聖ちゃん!!」
「ナハハ~!!
じゃあな、ミュー!!」
そして戸惑う私を
からかうかのように
ケラケラ笑うと
風のようにバイクを走らせて
仕事に出かける。
そんなのを毎日毎日やられてたら…
「神崎さんってほんとにお兄さんと
仲イイよねー。」
「そうそう、みんなイケメンだし!」
「あんなの毎日見てたら、
普通のオトコなんてつまんなくみえるだろーね。」
なんて、本人は思ってもいない憶測が
女の子たちの間で流れ始め
「神崎さんと付き合うには
まず神崎ブラザーズに宣戦布告して
タイマンで全員を倒さないといけないらしいよー??」
「えー!?マジ!?」
しばらくすると
こんな根も葉もないウワサが流れ始め
挙句の果てには
「あの子と付き合うオトコって…」
「「命知らずのチャレンジャーじゃなきゃ
ムリだよね!!!」」
なんて言われるハメになってしまったのだ!!